エクロース家の農業日誌

(株)トミーウォーカー運営のプレイ・バイ・ウェブ(PBW)ゲーム『エンドブレイカー!』内のキャラクタのブログです。
Posted by 鏑木

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サイドストーリー『エリナのお気に入り』

 今回は『エンドブレイカー!』内の、うちの子たちのサイドストーリー(SS)です。

 字数は2700字ほど。
エンドブレイカー!』のリプレイの約半分くらいですね。

 いやーサイドストーリーを書くのって楽しいですね。
 もっともっと勉強してよそ様の子も書いてみたいな、とか思ったりしてます。

 と。
 いつまでもだべっていても仕方がないので、よろしかったらReadMoreで読んでください。



『エリナのお気に入り』


 使い古したフライパンを薪ストーブの火であたためているあいだ、行商のキノコ農家・エリアス(c25938)は祖父自慢の食用キノコを一口サイズに刻んでいた。さっと水にくぐらせてから短冊状に切ったキノコはどれもみずみずしいピンク色をして、傘の部分は綺麗な蛍光色に輝いている。
 さて、あとはキノコを軽く炒めてから小さじ二杯のミルクを混ぜた卵でとじれば良かったと思うんだが……どうだっけか?
 少し考えてみたがどうも自信がない。ならば知り合いの錬金術師に借りたレシピ本『舞い踊る黄金のたまご焼き』を確かめればいいのだけれど、それもなんだか面倒だ。
「ま、いっか。おら、素材本来の味ってのも嫌いじゃねぇだよ」
 いつも通りのマイペースで、常人が見たらとりあえず額に汗を浮かべるであろう前衛芸術的色合いのキノコをフライパンに入れようとしたとき、腹に響く轟音がしてフライパンがカタカタ鳴った。
 もう一度。
 そして、さらにもう一度。
 言葉で表わすなら「ドゴォーン」とか「ヴォォウ」という音だ。たとえば、大量の花火を同時に発火させたような、もっといえば炎の星霊を呼び出し使役したような……ぶっちゃけて言うなら、フレイムソードに業炎を纏《まと》わせて何かを斬りつけているような音がする。
 エリアスは音の源がものすごく理解できて頭を抱えた。

 おら……、薪割りを頼んだはずなんだけんどなぁ……。




 エリアスが薪ストーブの火を調節してから家の裏手に廻ると、深紅の全身鎧を隙間なく着込んだ人物が後ろ向きに立っていた。ものものしい鎧のイメージに反して小柄な身長と鎧の隙間から見える線の細さに注意すれば、鎧の人物が十代の少女だとわかる。エリアスの妹、兄想い・エリナ(c26549)である。
 エリナの右手には抜刀したフレイムソードが握られ、刀身にはまだかすかに炎が残って揺らめいている。鎧の肩パーツが上下に規則的に動いているところを見るとかなり息が上がっているらしく、モンスターかなにかと戦った直後のような雰囲気だ。
 こんなとこ、もしもご近所さんが知ったら間違いなく城塞騎士に通報されるだろうなぁ。いんや、これが実の妹でなかったらおらだって泣きながら城塞騎士の詰め所に突っ走ってるだ。うん。間違いねぇ。
 大きく肩で息をしているエリナを刺激しないよう、エリアスはなるべくゆっくりと話しかけた。
「エリナ。たしかおら、『薪を割っといてくれ』って言ったべな?」
 エリアスの声にエリナは動きを止め、ゆっくりと振り返る。兜の目の漆黒の部分に赤い光を宿らせ、兜の隙間からは荒い呼吸で生まれた湯気を立ち昇らせながら。
 エリアスは知っている。これはギガンティアでたまに見せる、エリナの「本気モード」の目だ。ベルベットガーデンを旅したとき、魅惑のボディでエリアスを誘惑しようとしたラミアを完膚無きまでに叩きのめし、許しを請う相手に冷たく「抉《えぐ》ります」と言い放った、あのときの目だ。
 冷たい光がエリアスを見つめ、兜の下からはくぐもった呼吸音が聞こえている。
「エ、エリナ?」
 エリアスは怖かったけれど、もう一度呼びかけてみた。
「はぁ……はぁ…… はい? ……えっ!? お、お兄様ぁっ? い、いつからいらしてたんですの!?」
 エリアスを認めると、赤い光は消え、いつもの黒い目に戻る。
 ふぅ、おらいま、ちぃっとばかし生命の危険を感じただよ。
 エリナは荒い息を整えながら女の子らしく体をくねらせて『しな』を作り、こぶしを兜の口元に持ってきて「お恥ずかしいところをお見せしましたわ」とか言っている。フルアーマーでそういうかわいいしぐさをしてもあまり効果はないと思うが、エリアスは言わないでおいた。
「なにごとだべか。おらは『料理すっから薪を割っといてくれ』っちゅうただが?」
「あっ、そうですっ! 薪ですわ。薪なんです! 見てください、これ」
 そういうとエリナは体をずらしてエリアスを招いた。エリナの向こうでは薪割り用の切り株が黒く焦げている。ぶすぶすと音を立てているところを見るとたったいま焦げたようだ。ああ、この切り株もまた新しいの用意しなきゃな、と思いながらエリアスはため息をついた。
「焦げてるな。見事に」
「切り株は関係ありませんわ。大事なのは横に落ちてる薪です」
 たしかに切り株のまわりには炭化した薪らしき木切れが落ちている。
「炭……か、これ」
「もうっ。おわかりになりませんの? ほらこの切り口。以前とかなり違いますでしょ?」
 そう言われてもエリアスの目にはごく普通の炭にしか見えない。
「そうですわね。お兄様に剣術のことは難しいですわよね。よろしいです。では少し見せてさしあげます」
 切り株に薪を乗せ、「お下がりください」と言ったエリナは愛用のフレイムソード『烈火焦熱刃』を正眼に構えた。剣術にうといエリアスにもこの構えの意味は理解できる。ギガンティアで何度も助けられたエリナ得意のフレイムソードに炎を纏《まと》わせた斬撃、「業炎斬」を繰り出すときの構えだ。
 危ねぇからやめろ、と言おうとしてエリアスは言葉を飲み込んだ。またあの怖ぇ目付きで睨まれても嫌だし、そもそも言ってもやめるわきゃねぇし。
 数秒の間、動きを止めた深紅の全身鎧につられて風さえも止まったように感じた。刹那、フレイムソードの刀身ににわかに炎が溢れ、恐ろしい速さで縦斬りが繰り出された。火炎を纏《まと》った縦斬りはそのまま薪に食い込み、さらに十文字に斬り刻みにいくところを刃先を調節して斬り口を抉《えぐ》るようにひねる。薪は見事に燃えつき、消し炭となって切り株の横に落ちていった。
 エリナは呼吸を整え、フレイムソードを一振りして炎を消してから鞘にしまった。
「ふぅ。ね? どうですか? お兄様」
「どうですかもなにも……薪は盛大に燃えちまってるだな」
「いえ、そうではなく。月が変わってわたくし、さらに強くなった気がしますの。で、薪割りのついでに確認しておりましたら、ほら、こんなにたくさん抉《えぐ》れましたのよ♪ わたくし、またひとつコツを掴んだのかもしれません」
 もと薪だった消し炭を拾うと、エリナは嬉しそうに兄へ見せた。
「ほら、どうですか。こんな見事に抉《えぐ》れて……これはさぞかし痛いでしょうねぇ。これだけ抉《えぐ》れれば、お兄様を誘惑しようとするあの性悪ピュアリィ族の方々もきっと改心してくださいますわよね。……ふふっ、今から実戦で使うのが楽しみですわ……ふふっ……うふふっ……」
 そう笑うエリナの兜の目には、またあの冷たい光が灯った。「ぐぽーん」とかいうなんだかよくわからない効果音付きで。

 エリアスは額に手を当て、ため息をついて薪の残りを考えていた。
 せめて、春までもてばいいんだけんどなぁ。




●プレイヤーより。

 トミーウォーカー『エンドブレイカー!』の設定を使ったサイドストーリー(いわゆるSS)です。


 今回は、ある日のエクロース家の日常をお届けしました。


 2月末の新ギガンティア「スイートラビリンス」と、3月1日(2月29日深夜)に配布されたブースト EXP により、うちのエリナちゃんもとうとうレベル38になりましたっ。これで……これでやっと! 彼女の大好きな業炎斬2目「傷口を抉る」がバッドキラー60になったんですっ!

 そりゃもう彼女、大喜びしてますよ。
 大好きな業炎斬の強化。しかも大切な師匠の教えでもある「傷口を抉る」の強化ですからね。
(※注 師匠はそんなこと教えていません。彼女の曲解です)


 プレイヤー的視点ではメインキャラはエリアス君なんですけれど、彼、最近あまり成長していません。もうレベル40ってこともあるのですが、成長よりもピンナップとか旅団での雑談やアイテム交換(←とくにこれがとても繁盛してます。はい)などのそっち方面の活躍をしていこうかな、と思っていますので。

 そのあたりを反映して、今回のサイドストーリーではエリアス君は家事を、エリナちゃんは家の裏で鍛練(彼女は薪割りのつもり)をしています。


 そして今回は、エリアス君がツッコミキャラになっちゃいました。
 彼も旅団とかでは天然ボケキャラなんですけれどもねぇ。この妹といたらツッコミにまわらざるを得ないんでしょうね。きっと。
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